松川村に引っ越してから再生工事や趣味の木工、日々の雑事に時間を費やして本を読むことを怠っていました。
大学にいた頃は年に200冊以上は読むようにしていたので今年は初心に帰って読書の時間も作っていきたいと思います。
一番最初に手に取ったのは建築家内藤廣著「建築のちから」です。内藤さんは学生時代からとても好きな建築家で、近くにある安曇野ちひろ美術館の設計もされています。設計された建物を訪れるとどれも質が高く、凛とした空間があります。
建築論も他の建築家のように難解ではなく分かりやすく書かれていて、この本は学生時代何度も読み返しました。
初版が2009年で13年も経ているため内容についてはほとんど覚えていませんが、唯一「アアルトの窓辺」という章だけは覚えています。修士論文でアアルトを題材にした時、その研究の方向性に悩んでいた頃この章を読み返して背中を押された気がしました。
実務経験を積んで10年の歳月になり、設計の知識や経験は増えましたが、実務に偏りすぎるとどうしても機能や性能、ディテールなどに目がいってしまいます。10年の節目にもう一度この本を読んで、建築とはどうあるべきか考えてみたいと思います。