古民家修生
昨日の投稿でも触れましたが、大きな古民家を全て綺麗に直すと新築以上の予算がかかります。古民家再生というと大きな費用を掛けてすべてを綺麗に直したものを指すのかもしれません。 柳屋の改修工事について今まで再生という言葉を使ってきましたが、「再生」と呼ぶには少々おおげさな気がしていました。 上の写真を見ても分かる通り、柳屋は外壁をほとんど直していません。既存木部も塗装はせずそのままです。全体は必要最小限度の修繕を行い、小さな居住空間を快適に設えるという考え方のもと設計をしています。 保存修理をベースとした最低限の古民家改修工事を、今のところ”古民家修生”と呼んでみたいと思います。修生とは造語ですが、古民家再生ほどではなく文化財のような修復でもない、あくまでも古民家に現代の生活があり、建築として健全な状態に戻すための最低限の修繕工事を行う。古き良きものを無理なく次の世代に残していくための手法の一つになればと考えています。