耐震診断書・補強計画書
半年前から計画を進めてきた古民家改修の基本的な方向性がまとまったので、耐震診断書と補強計画書を取りまとめました。今回も計算方法は限界耐力計算を用いて耐震性を評価しています。そもそも古民家は構造階高が高い場合が多く、耐震診断ソフトで適用外の場合があります。また仮に適用できたとしても建具だらけで壁がほとんどない古民家は評点がかなり低くなり、ほとんどNGとなってしまいます。そしてその場合の補強方法は耐力壁を増やしていくしかないので日本の伝統的な住宅が持つ良さというものは失われがちです。限界耐力計算でも壁を耐力要素として評価しますが、垂れ壁や大断面の差鴨居なども耐力要素として加味できるので、建具で構成された空間の良さをそのまま残せる場合もあります。とても優れた計算方法ではありますが、その計算が成立するための条件が多々あるため、万能の計算方法ではありません。また評価する人の考え方で結果が大きく変わることもあるので計算には十分に注意しながら、より実情に合った精度の高いものになるよう今後も勉強していきたいと思います。