貫穴

貫穴
古民家は建築当初の姿で残っているということは珍しく、特に違和感なく見えていても後年に改修されていることが多々あります。今回の写真の様に壁だった部分を開口にしたりすると壁の中に入っていた貫を外すことになります。そうすると貫穴はそのままで、穴だけ隠すように薄い板を張って終わりにしてしまうことがあります。本来は柱の断面欠損を埋木した方が良いので柳屋古民家も薄い化粧板は外して貫穴を埋木することにしました。表面だけの埋木ならそんなに難しくないと思いますが、中心部までしっかりと詰めたいので中々難しいです。結局少し合わない部分は楔できっちり詰めました。こうして昔の改修の痕跡を補修していると建てられた当初の姿がだんだんと分かってきます。穴を一つ一つ埋めていくのは大変ですが、昔の姿に思いを巡らせられると少し嬉しい気持ちになります。