既存建物から学ぶ

既存建物から学ぶ
解体が進められている「土縁のある古民家」ですが、今まで壁が付いていて隠れていた部分が現しになりました。ここは三方から差鴨居が取りついている場所に後から垂れ壁を作っていた場所です。その垂れ壁を撤去した後の状態ですが、空けられているホゾ穴は垂れ壁の貫が入っていた部分で上の飛び出ているホゾは裏側にある差鴨居のホゾだと思います。右下にある小さな四角い穴は右側差鴨居の込栓で込栓が入っていない方の差鴨居は車知栓で引き寄せてある・・・。おそらくそのような仕口であると推測します(間違っている可能性ももちろんあります)。改修ではこのように解体が進むにつれて分かってくることも沢山あるのでその都度補強計画の妥当性を確認し直す必要があります。新築よりも手間がかかりますが、この建物はこんな仕口を使っているのかなどが分かってくると楽しくもあります。古民家はその家ごとに建てた大工さんの特徴があるので見ていてとても勉強になります。