計10本の断熱襖を作る 居住スペースと非断熱エリアの間に収納や便所などの急激な温度変化を抑えるための緩衝空間を作りました。その緩衝空間を間仕切る建具は全て引違戸として設計しています。合計10本と本数が多いので大変ですが、この建具も自分で作っていきます。素人でもある程度同じクオリティを確保できる作り方・デザインを考えました。
部材を加工 材料は軽くて加工しやすい杉の野縁材で、断面寸法も30×40で特に加工せずそのまま使うことができます。勝手口建具の製作では赤松の胴縁を使いましたが、ヤニがあって木屑がこびりつきやすいので今回は杉にしました。ただ杉も柔らかすぎてノミや鋸が切れないと繊維と垂直方向に加工する時は松や桧と比べてボロボロと崩れてしまいます。自分で木材を加工しているとこうした樹種ごとの特徴も分かるので今後の設計に反映させていきたいと思います。
断熱材を詰める 横桟と横桟の間には断熱材を詰めました。居住スペースの断熱性能を上げつつ、表面仕上予定の和紙のたわみを防いでくれます。和紙がまだ決まっていないのでしばらくはこの状態です。ホームセンターに積んである材料の中からできるだけ反りが少なく木目が詰んだものを選び、軒下で数週間自然乾燥させた後で一番変形の少ない材料を框に使用しましたが、組んでみると全体が少し反ってしまいました。動作に大きな支障はないので一応建具としては成立したと思います。普通こうした建具をプロに頼めば1本2~3万円程かかりますが自分で作れば材料費だけなので1本1,500円程でできました。