階段よりも小スペースで垂直動線を確保 断熱エリアの限られたスペースでいかに垂直動線を確保するかがプランを作るうえで難しい問題でした。2階の2部屋は間に既存の土壁があるためそれぞれに垂直動線を確保する必要があります。寝室へはもともと掛かっていた側桁階段を再利用しました。設計室へは既存の階段を使えば行くことができますが、随分と遠回りになるのと一度非断熱エリアを通ることになってしまいます。そこで断熱エリアの物入の中に梯子を設置して簡単に設計室と行き来ができるようにしました。
材料を加工 材料は側桁を杉、踏み段を米松の廃材で作りました。側桁材は表面がボロボロだったので電気鉋をかけ、ビス穴など傷が目立つ部分は埋め木をして綺麗にしてから再利用しています。現場で実際に梯子を掛ける角度を確認して丁度良い段数を割付けします。側桁と踏み段の幅寸法が近いため、大入れにすると側桁が欠ける可能性があるので踏み段は2方胴付ほぞ差しにしました。側桁にドリルとのみでほぞ穴を掘り、踏み段には胴付ほぞ加工をします。作業は単純ですが数が多いのでそれなりに時間がかかりました。
材料を組む 加工が終わったところで材料を組んでいきます。材料を横にして当て木をして金槌で側桁に踏み段を叩き入れます。ほぞ差しだけだと抜けてしまう可能性があるので側桁側から長いビスで固定しています。今回は珍しくねじれや歪みもなく、あまり苦戦せずにすんなりと組むことができました。