間仕切り壁を作る 御休処製作の前にまずはキッチンとの間の間仕切り壁を作ります。間仕切り壁を建てるにあたってすでに大工さんが建ててくれた柱の通りに対して直角を出す必要があります。今回は電気工事をお願いしている松川村の大島電気さんが配線工事にいらしていたので水平垂直が簡単に出せるレーザー墨出し器をお借りして間仕切り位置を出しました。 下地として石膏ボードを張っていきますが、2期工事の余りを有効活用するため乱張りのようなかたちで張りました。今回はたまたま長野に来ていた友人が施工を手伝ってくれるということでボード張りまで一緒に作業しました。
床組・掘り炬燵の製作 間仕切壁ができたところで根太掛けを打ち、根太を流していきます。スパンが一間しかなく、重量物を置く予定もないので束などは立てずに根太だけで持たせています。御休処は冬季の間小さな炬燵を置く予定なので中央を掘り炬燵にするため真ん中の根太だけ取り外せるように作ります。掘り炬燵の床は2期工事で余った杉の羽目板を張りました。
お茶出用小扉を設置 御休処とキッチンの間の壁には小さな開口があります。これはキッチン背面の食器棚に通じる開口で、御休処でくつろいでいるときにちょっとお茶を差し出したり、本を取り出したりするためのものです。その小さな開口の枠を作りました。枠は大工工事だと造作物といい、より精度が求められる工事になります。片引きの小扉用に鴨居と敷居に溝を突いて取り付けました。下地と違って材料を仕上げるという手間が加わることやビスなどが見えない止め方を考えたり、材料に傷をつけないように動かしたりと小さな開口ながらも手間がかかりました。
小扉の製作 後日知り合いの家具屋さんにいただいた家具用の端材と別の古民家再生の現場で出た杉の天井板を再利用して小扉を製作しました。樹種は分からなかったのですが、とても硬くいつも使っている杉や桧、松といった針葉樹に比べてトリマーで溝を突く加工をするのがとても大変でした。縦框と横框に溝を突いて杉の板を落し込んでいます。小さくて軽い扉で、かつ框材がとても硬いのでビス止めはせずホゾと木工用ボンドで組みました。
御休処という空間 御休処はその名の通り休むための場所です。隣にシャワー室があるので湯上りにちょっと一息つく畳の間として作りました。広さは3畳で天井高さは1.6m程しかありませんが、壁いっぱいに設けた窓から大きな欅の木漏れ日が入り、遠くには綺麗な山並みが見えるので狭苦しさは感じません。むしろ心地よく包まれた安心感がありながら、程よく広がりを感じることができる居心地の良い場所になりました。