不陸直し工事
1期工事は不陸直し工事と屋根替え工事です。
まず不陸直しから行っていきます。不陸直しとは傾いた建物を水平に直すことです。この古民家は北側におよそ10cm沈んでいました。床をはいでジャッキで徐々に持ち上げていきます。長い年月をかけて徐々に沈んでいった建物を直すのは簡単ではなく、水平を出すのに1週間かかりました。
束と束石の間の持ち上がって空いた部分はパッキン(調整材)を挟んであります。予算があれば束石を持ち上げて下にコンクリートを打つところですが、今回はパッキンで済ませました。外観に影響のある部分の束石は持ち上げてもらっています。
屋根替え工事 よろび直しが済んだところで屋根を葺き替えていきます。今回は破風・鼻隠し、垂木、野地板、板金までをやり替えました。面積が大きいので助っ人の大工さんも参加して一気に進めていきます。垂木は以前のサイズだとまた折れてしまう可能性があるので少しサイズを大きくして、以前の軒の出のまま再生しました。この軒の深さが気に入っていたので垂木サイズを大きくするとコストが上がってしまいますが、再生した姿を見て軒の出を変えなくて良かったと思います。 見える部分の軒裏は化粧の杉板を使ってい見えない部分は杉の荒板を使いました。最近の住宅の野地板は構造用合板が主流ですが、古民家と構造用合板は構造的に相性が良くないので無垢材を使っています。
自主塗装工事 大工さんがよろび直している間に自分達で垂木と破風・鼻隠しの塗装をしました(一部大工さんにも手伝っていただきました)。塗料はキシラデコールでパリサンダという種類の色です。ヨーロッパの塗料などは耐久性も高いですが、コストも上がってしまうので入手しやすく値段も手ごろなキシラデコールを選びました。破風・鼻隠しは一度プレーナーを通してあるので簡単に塗ることができますが、垂木はラフ仕上なので塗料をどんどん吸い込んで全部塗るのに苦労しました。
屋敷林の伐採と製材 屋根工事を始める前に屋敷林を一部伐採しました。隣地に近く大きくなりすぎた杉をはじめ欅や椹、栗、槐などを伐採しました。2期工事の内装工事まで3ヶ月程期間が空くので杉は製材して自然乾燥させて建材として使うことにしました。欅や椹なども一緒に製材してもらい、テーブル材や3期工事に予定している浴室内装材などに使えるよう自然乾燥しておきます。 この屋敷林の伐採にあたっては松川村の補助金を利用させていただきました(詳しくは村ホームページの「手当・補助」の中にある景観形成の推進に関する補助金 をご覧ください)。 屋敷林の保全は良く言われることですが、実際家主のみの負担で保全していくのは大変で、こうした公的な補助金がなければどんどん消滅していってしまうと思います。
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