薪ストーブの選定
広さ15畳の広間(おえ)には薪ストーブを設置しました。
この広間は事務所の応接スペースとして使っていますが、非断熱エリアにあります。冬は外気温と同程度まで室温が下がるため熱量の大きな暖房が必須でした。
天井高が3.5mあり気積も大きいため普通の石油ストーブやエアコンでは全く暖まりません。そこで輻射熱で空間を暖める薪ストーブを設置することにしました。

薪ストーブは下記条件を満たすものを探しました。
①旅行先で偶然体験した暖炉のように直火が楽しめるもの
②暖める空間が大きいので大きな薪が入るもの
③急な来客にも対応できるように早く暖められる鋼板製の薪ストーブ
④ガスケット交換などがない作りがシンプルなもの
⑤古民家の雰囲気に似合うデザイン

結果的には薪ストーブ屋さんと相談して建築家の中村好文さんがデザインして、安曇野の金澤図工さんが製作されている「NAYAN76」という機種を選びました。



煙突について
薪ストーブ・煙突の設置工事は以前からお世話になっていて、上田・安曇野を拠点に長野県内から県外まで幅広く活躍されている有限会社ヤマショーさんにお願いしました。
ヤマショーさんの煙突はオリジナル仕様となっていて、断熱二重煙突に気流調整ダンバーが付いています。薪ストーブの燃焼効率を上げるうえで断熱二重煙突は必須です。費用はかかりますが断熱二重煙突とすることで煙突内の煤やタールの付着を抑え、薪ストーブが本来持つ燃焼性能を維持することができます。
また、気流調整ダンパーは少し調整弁をひねることで薪の燃え過ぎを簡単に抑制することができます。燃焼効率などを考慮した理想的な薪ストーブの温度は200℃程度ですが、薪をたくさん投入すると炉内の温度が300℃以上になります。急激に温度が上昇した場合、薪ストーブによってはひびが入るなど傷むことがあります。つい薪を入れ過ぎてしまうことがあるのでそんな時に気流調整ダンパーがあることで簡単に燃え過ぎを抑えることができます。薪ストーブ本体で給気調整をして燃焼を抑えることもできますが、煙突側で調整した方が早く効果があります。

自分で製作した天井の開口枠も設置してもらい、おおよそ半日で工事が完了です。薪ストーブの炉台は建具屋さんから譲り受けたステンレスのものを現場で黒く焼付塗装してもらっています。







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